• 03-5683-2277
  • 透析:8:30〜22:30/内科:9:30〜18:00

コラム

家族

透析中の聞こえにくさ|説明を受ける工夫と耳鼻咽喉科への相談

透析中の聞こえにくさ|説明を受ける工夫と耳鼻咽喉科への相談

透析室で説明が聞き取りにくいのに、何度も聞き返すのは申し訳ないと感じていませんか。機械の音やマスク越しの会話が重なると、薬や次回の予定を理解しにくいことがあります。当院では、聞こえの状態も治療を続けるための大切な情報として受け止めます。今回は、説明の受け方を整える工夫と、耳鼻咽喉科へ相談したい変化を分けてお伝えします。

  • 急な変化は受診へ
  • 会話が難しい場面を伝える
  • 大切な説明を文字でも確かめる

急に聞こえが変わった場合は、次回透析まで待たないでください

透析の影響だと決めず、耳の病気を確認します

難聴には、ゆっくり進むものと急に始まるものがあります。年齢の変化だけでなく、耳あか、中耳や内耳の病気など、原因はさまざまです。透析を受けている方でも「透析患者だから仕方ない」と考えず、耳鼻咽喉科で原因を確認することが大切です。

特に、片耳が急に聞こえにくい、耳が詰まったように感じる、耳鳴りやめまいが急に始まった場合は、早めの評価が必要です。本人は音が小さくなったと気づかず、「電話の声だけ変」「耳の奥が重い」と表現することもあります。

急な聞こえの低下は、すぐに医療機関を受診してください。ろれつが回らない、片側の手足に力が入らない、立てないほどのめまいなどを伴うときは救急要請を検討してください。透析施設へも状況を伝え、透析予定は自己判断で変更しないでください。

耳鼻咽喉科と透析施設で薬の情報を共有します

耳の治療を受ける際には、透析中であること、透析曜日、服用薬、透析中の注射薬などを医療者へ伝えます。腎機能によって薬の選び方や量に配慮が必要なことがあります。お薬手帳と透析施設の連絡先があると共有しやすくなります。

薬を始めた後に耳鳴りや聞こえの変化が出た場合も、薬のせいと断定して中止するのではなく、処方医へ速やかに連絡してください。当院に耳鼻咽喉科があるという意味ではなく、必要な専門診療と普段の透析をつなぐための情報整理を行います。

聞こえにくい「場面」が分かると、工夫を選びやすくなります

音量だけでなく、言葉の区切りや周囲の音も関係します

音は聞こえていても言葉がはっきりしない、複数の人が話すと分からない、顔が見えないと理解しづらいなど、困り方は一人ひとり異なります。大声にするだけでは聞き取りが改善しない場合もあり、話す速さや環境を調整することが役立ちます。

困る場面伝え方の例一緒に検討する工夫
機械音で説明が埋もれる周りの音があると分かりにくいです説明する場所やタイミングの調整
薬の名前や数字が分からない名前と回数を紙でも見たいです文字で示し、指示の内容を確認
電話の声が聞き取れない電話では聞き間違えることがあります本人が使いやすい連絡方法を相談

補聴器を使っていることも遠慮なく知らせてください

補聴器の有無、左右どちらが聞きやすいか、普段どの場面で使うかを伝えてください。補聴器は聞こえを助ける道具ですが、装用すればどんな環境でも会話が明瞭になるとは限りません。使っていても困る場面を具体的に共有しましょう。

不調や調整の相談は、耳鼻咽喉科の補聴器相談医や購入先などと確認します。透析室での保管や着脱が心配なときはスタッフへ相談してください。紛失を防ぐため、普段のケースや置き場所も決めておくと安心です。ご本人の希望を確かめず、家族だけで購入を急ぐ必要はありません。

重要な説明は、ご本人が理解できた形で残しましょう

短く区切って、予定と治療内容を確認します

当院で説明が聞き取れないときは、「もう一度、短く分けてお願いします」とお知らせください。薬の変更、次回の検査、来院時刻などを一度に覚えるのは負担になります。要点を一つずつ確認し、必要に応じて書いた内容と照らし合わせる方法を相談しましょう。

  1. 先に伝える

    説明の前に、聞きやすい側や文字の希望を知らせます。

  2. 要点を残す

    いつ・何を・どうするかを、紙や手元の記録で確認します。

  3. 言葉にして確かめる

    自分の理解を話し、医療者と内容が一致するか確認します。

ご本人が理解した内容を言葉にして確かめるのは、記憶力を試すためではありません。説明の仕方が適切だったかを医療者と確認し、行き違いを減らすためです。「朝の薬が変わるという理解で合っていますか」など、一つの点だけでも十分です。

ご家族は、代わりに決めるより本人の希望を支えます

家族が同席すると説明を確認しやすい一方、ご本人に話しかけないまま会話が進むと、不安や疎外感につながることがあります。まず本人に説明し、聞き取れなかった部分を家族が補う形を相談してください。聞こえにくさと理解する力を同じものと決めつけないことも大切です。

家族へ医療情報を共有する範囲や、電話連絡を代わりに受けるかは、ご本人の希望を確認します。聞こえ方が日によって変わるなら、その変化も記録してください。相談の中心は「どこまで家族が管理するか」ではなく、ご本人が情報を受け取り、安心して選べるかにあります。

聞き返す回数を減らそうと、分からないままうなずく必要はありません。機械の警報音を本人が聞き分けて治療を管理することも求められません。治療中に気分が悪い場合は、声や合図でスタッフを呼び、ご自身で装置や針に触れないようにしてください。

大切にしたいポイント

急な聞こえの変化には早い受診が必要です。日々の説明では、聞こえにくい場面を共有し、文字と会話を組み合わせて理解を確かめましょう。

よくある質問

  • 聞き返すのは迷惑ではありませんか?

    大切な治療情報を確認するために必要なことです。聞こえやすい方法を探せるよう、どの部分が分かりにくいか遠慮なくお知らせください。

  • 耳鳴りだけでも受診した方がよいですか?

    急に始まった耳鳴りや聞こえの変化、めまいを伴う場合は早めに耳鼻咽喉科へ相談してください。透析だけの影響と決めつけないことが大切です。

  • 補聴器をつけていても説明が分かりません

    周囲の音や話す速さも関係します。文字による確認や場所の調整を相談し、機器の調整は耳鼻咽喉科や購入先と確認しましょう。

  • 家族が電話連絡を受けてもよいですか?

    ご本人の希望と共有してよい情報の範囲を確認して、当院と連絡方法をご相談ください。個別の運用をあらかじめ決めておくと安心です。

  • 聞こえにくいと透析先を変える必要がありますか?

    すぐに転院を決める必要はありません。現在の施設で困る場面と可能な工夫を整理し、専門診療の必要性も含めて相談してください。

※本記事は、透析と日常生活の両立について当院でよくいただくご相談を整理したものです。生活リズムや通院方法、在宅での過ごし方は患者様ごとに異なるため、主治医や当院スタッフにご相談ください。

予約・問い合わせページ