2026.9.21 家族
入院・手術を控えた透析患者へ|透析予定と治療情報の共有準備

手術や検査のために入院することが決まった時、透析患者さんは入院中の透析場所、最終透析の時期、シャント、薬、退院後の次回透析まで調整する必要があります。入院先と普段の透析施設の両方へ早めに共有すると、当日の行き違いを減らせます。本記事では、ご本人とご家族が準備したい情報を時系列で整理します。
予定が決まった時
入院先、目的、入院日、手術・検査予定、透析曜日を双方へ伝えます。
入院前
透析サマリー、薬、検査、シャント、感染症状など必要情報をそろえます。
入院中
透析条件や薬の変更、体重、食事、手術後の状態を記録してもらいます。
退院前
次回透析の日時、変更点、傷や発熱、移動方法を確認します。
入院先と透析施設へ、同じ予定を早めに共有します
手術日だけでなく、前後の透析予定が必要です
手術や造影検査、内視鏡などでは、検査内容や麻酔、食事制限、出血リスクによって透析予定の調整が必要になることがあります。最終透析をいつ行うか、入院中はどこで透析するか、退院後の最初の透析をいつにするかは、入院先の担当医と透析担当医が相談して決めます。
「手術の前日に透析する」「薬を何日前から止める」といった情報を一般論だけで決めないでください。病状、手術内容、電解質、体液量、服薬によって予定は変わります。入院日が決まった段階で、普段の透析施設へ連絡してください。
入院先で透析できるかを確認します
すべての医療機関が入院中の血液透析に対応できるわけではありません。入院先で透析するのか、別の医療機関へ移動するのか、手術を行う病院と透析施設の連携方法を事前に確認します。移動が必要な場合は、ご本人の体調、車椅子、付き添い、時間帯も含めて計画します。
緊急入院では、こうした準備を十分にできないことがあります。ご家族が分かる範囲で、普段の透析施設名、電話番号、透析曜日、最後に透析を受けた日時を救急担当者へ伝えるだけでも重要な情報になります。
透析条件・薬・シャントの情報を一つにまとめます
| 透析情報 | 透析曜日・時間、最終透析日、透析方法、ドライウェイト、最近の透析記録 |
|---|---|
| 血管アクセス | シャントやカテーテルの種類と場所、最近の腫れ・痛み・処置歴 |
| 検査・治療 | 診療情報提供書、透析サマリー、直近の検査結果、入院・手術の目的 |
| 薬 | お薬手帳、処方箋の写し、抗血小板薬・抗凝固薬、注射薬を含む治療情報 |
| 生活・移動 | 歩行や車椅子、送迎、付き添い、食事、アレルギー、緊急連絡先 |
薬の中止や再開は、手術担当医と透析担当医が決めます
血液を固まりにくくする薬、血圧の薬、糖尿病の薬、リン吸着薬などは、手術や絶食の前後で扱いが変わることがあります。しかし、薬の種類と目的によって判断が異なるため、ご本人の判断で中止・再開しないでください。入院先から指示を受けた場合は、その内容を透析施設にも共有します。
透析中に使う抗凝固薬や注射薬は、お薬手帳にすべて載っていないことがあります。透析サマリーや紹介状で医療機関同士が共有できるよう、必要書類の作成時期を早めに相談してください。
書類は患者さんだけで集めず、医療機関同士で確認します
- 必要な書類の種類と提出先を、入院先へ確認する
- 透析施設へ入院日と提出期限を伝え、作成を依頼する
- FAXや郵送を使う場合は、宛先と受領確認の方法を決める
- ご本人は原本・控え・お薬手帳を持参するか確認する
退院前に、次回透析と通院方法まで決めます
入院中に変わったことを透析施設へ戻します
手術や入院治療の後は、体重、血圧、食事量、歩行、薬、傷の状態が入院前と変わることがあります。入院中の透析記録、退院時サマリー、検査結果、変更後の薬を普段の透析施設へ共有し、次回透析で確認すべき点を明らかにします。
退院した日と次の透析日が近い場合も、自己判断で予定をずらさないでください。退院時間、帰宅場所、移動手段、透析室への入室時刻を含めて調整します。手術後に歩行が不安定になった方は、家族の付き添いや車椅子、送迎条件も見直します。
発熱や傷の異常がある時は、来院前に連絡してください
退院後に発熱、咳、強いだるさ、手術部位の赤みや排液、シャントの痛み・腫れなどがある場合は、入院先と透析施設へ連絡してください。当院は個室陰圧室7床とゾーニングを備えていますが、症状や検査、空床状況に応じて受け入れ方法を調整します。連絡なしで普段通り来院するのではなく、動線を確認することが大切です。
胸の痛み、強い息苦しさ、意識がぼんやりする、大量の出血、シャント音が急に聞こえないなどの症状がある場合は、次回透析を待たず、救急要請を含めてすぐに医療機関へ相談してください。
退院時には、食事や水分の指示が入院前と同じかも確認します。手術後の食欲低下や輸液、活動量の変化で、適切な体重や除水の考え方が一時的に変わることがあります。退院当日の体重だけで判断せず、入院中の経過と診察所見を透析施設へ共有してください。
ご家族は、退院説明を一人で覚えようとせず、次回透析日、薬の変更、傷の手当、連絡先を紙やスマートフォンに分けて残すと確認しやすくなります。分からない項目には印を付け、退院前に病棟スタッフへ質問してください。
予定表と治療情報をつなぐことが、安全な再開につながります
入院や手術が決まった時点で、当院へ日程と医療機関名をお知らせください。必要書類、透析予定、退院後の通院方法を、患者さんとご家族だけに任せず一緒に確認します。
よくある質問
入院が決まったら、いつ透析施設へ伝えますか?
日程が決まった段階で早めにお知らせください。書類作成や前後の透析予定を調整する時間が必要です。
手術前の透析日は自分で変更してよいですか?
自己判断で変更しないでください。手術内容や体調を踏まえ、入院先と透析担当医が相談して決めます。
どの書類が必要ですか?
診療情報提供書、透析サマリー、透析記録、検査結果、薬の情報などが一般的ですが、入院先の指定を確認してください。
血液を固まりにくくする薬は止めますか?
薬の目的と手術内容で判断が異なります。手術担当医と透析担当医の指示なく中止しないでください。
緊急入院で書類がありません
透析施設名、電話番号、最後の透析日時、透析曜日、薬が分かれば救急担当者へ伝え、医療機関同士の連絡につなげてください。
退院後に発熱したら通常通り透析へ行きますか?
来院前に必ず透析施設へ連絡してください。症状、手術部位、退院日を共有し、受診方法と透析場所を確認します。
※本記事は、透析患者さんの入院・手術時に確認したい一般的な情報共有を整理したものです。透析予定、薬の中止・再開、入院中の治療は患者様ごとに異なるため、入院先と透析担当医の指示に従ってください。
