2026.9.7 知識
腎臓病と尿酸値|高尿酸血症を指摘されたときの受診準備

健康診断で尿酸値が高いと言われると、「腎臓が悪くなったのか」「痛風になるのか」と不安になる方がいます。腎臓は尿酸の排泄に関わりますが、尿酸値は食事、飲酒、脱水、体重、薬、ほかの病気にも影響されます。本記事では、数値だけで結論を出さず、腎機能や症状と一緒に腎臓内科へ相談するための準備を整理します。
尿酸値が高い時は、腎機能と生活背景を一緒に見ます
尿酸は体内で作られ、主に腎臓などから排泄されます
尿酸は、プリン体が代謝された後にできる物質です。腎臓から尿へ排泄されるため、腎機能が低下すると尿酸値が上がりやすくなることがあります。一方、尿酸値が高い方すべてに明らかな腎機能低下があるわけではなく、体質、食事、飲酒、肥満、薬なども関係します。
日本腎臓学会のCKD診療ガイドラインでは、高尿酸血症をCKD診療で確認する項目の一つとして扱っています。ただし、尿酸値だけを下げれば腎臓病が必ず改善すると単純には言えません。eGFR、クレアチニン、尿たんぱく、血圧、糖尿病や心血管病の有無を合わせ、治療の目的を確認します。
症状がない高尿酸血症
健診で初めて分かることも多く、数値の再確認と背景の評価から始めます。
関節が急に痛む場合
痛風発作の可能性がありますが、感染や外傷など別の原因もあるため診察が必要です。
足の親指以外の痛みでも、自己診断しないでください
痛風は足の親指の付け根に起こるイメージがありますが、足首や膝など別の関節に現れることもあります。急な赤み、腫れ、熱感、強い痛みがある時は、痛風かどうかを自分で決めず受診してください。発熱を伴う、傷がある、急速に赤みが広がる場合は、関節や皮膚の感染症との区別が必要です。
すでに透析中の方でも、関節痛を「尿酸のせい」と決めつけないことが大切です。骨・ミネラル代謝、感染、外傷、薬の影響など、別の確認が必要な場合があります。
受診前は、健診結果と薬の一覧をそろえます
一回の尿酸値より、いつからどう変わったかが役立ちます
健診結果は尿酸値だけを切り取らず、クレアチニン、eGFR、尿たんぱく、血糖、HbA1c、脂質、血圧などが載った用紙ごとお持ちください。過去の結果があれば、同じ検査の推移を確認できます。採血前に食事が取れなかった、暑い日に水分が少なかった、体重が大きく変わったなども伝えてください。
| 検査結果 | 尿酸、クレアチニン、eGFR、尿たんぱく、血糖、脂質などが分かる健診票 |
|---|---|
| 血圧・体重 | 家庭血圧があれば数日分。最近の体重増減やむくみも共有します。 |
| 薬・サプリ | 処方薬、市販薬、サプリメント、使用頻度が分かる一覧やお薬手帳 |
| 症状 | 関節痛の場所、始まった時刻、赤み・腫れ・発熱、尿量の変化 |
| 生活背景 | 飲酒、甘い飲料、食事、運動、仕事中の発汗などを無理のない範囲で確認します。 |
薬は腎機能に合わせた選択と量の確認が必要です
尿酸を下げる薬には複数の種類があり、腎機能やほかの薬との組み合わせを見て選びます。痛風発作時の痛み止めも、腎臓病の方では使い方に注意が必要です。以前処方された薬や市販の鎮痛薬を、自己判断で再開・増量しないでください。
利尿薬など、尿酸値に影響することがある薬もありますが、必要な治療として使っている場合があります。「尿酸が上がるかもしれない」と自己判断で中止すると、血圧や心臓の状態に影響することがあります。薬の変更は必ず処方した医師と相談してください。
食事と水分は、腎機能の段階に合わせて整えます
極端なプリン体制限だけに寄せないことが大切です
高尿酸血症では、飲酒量、果糖を多く含む飲料、食事量、体重管理などを見直すことがあります。ただし、腎臓病の方が食事を極端に減らすと、エネルギー不足や筋力低下につながることがあります。尿酸だけを目標にせず、塩分、たんぱく質、カリウム、リンなど、その方に必要な食事療法と両立させます。
「尿酸を下げるために水をたくさん飲む」という一般的な情報も、むくみや心不全がある方、透析中で水分制限がある方にはそのまま当てはまりません。飲水量を急に増やす前に、主治医や当院医師へ確認してください。
当院では尿酸値だけでなく、腎臓と内科全体を確認します
当院は腎臓内科と一般内科を併設し、高尿酸血症、高血圧、糖尿病などを腎機能と合わせて診療します。健診結果を受け取った直後や、再検査の時期に迷っている段階でも、電話でご予約のうえご相談ください。
内科外来は月・水・金の9:30〜13:00、15:00〜18:00と、土曜9:30〜13:00です。火曜・木曜・日曜は休診で、受付は終了時刻の30分前までです。感染防止のため完全予約制ですので、診療希望日の前日までを目安に03-5683-2277へご連絡ください。
受診後は「尿酸値を何まで下げるか」だけでなく、次にいつ採血するか、どの症状が出たら予定を待たずに連絡するかを確認しましょう。治療を始めた直後は、発疹、発熱、強いだるさなど薬との関係を確認すべき症状が出ることもあります。新しい症状があれば、薬を処方した医療機関へ早めに連絡してください。
健診結果を家に置いたままにせず、スマートフォンで全体を撮影する、過去分を年ごとに並べるなど、継続して比較できる形にすると役立ちます。尿酸値が改善しても腎機能や血圧の確認は続くため、次回受診日と検査予定、相談したい点を必ず手元にメモしておくことが大切です。
よくある質問
尿酸値が高いと腎臓病ですか?
尿酸値だけでは判断できません。eGFR、クレアチニン、尿たんぱく、血圧やほかの病気を合わせて確認します。
症状がなくても受診した方がよいですか?
健診で繰り返し高値を指摘された場合や腎機能低下を伴う場合は、受診時期を医療機関へ相談してください。
足が急に痛むのは痛風ですか?
痛風の可能性はありますが、感染や外傷など別の原因もあります。赤み、腫れ、発熱を含めて診察を受けてください。
水をたくさん飲めば尿酸は下がりますか?
腎機能、むくみ、心臓の状態、透析の有無で適切な飲水量は異なります。自己判断で増やさないでください。
市販の痛み止めを使ってもよいですか?
腎臓病の方では成分や量に注意が必要です。購入前または使用前に医師や薬剤師へご相談ください。
当院へは何を持参すればよいですか?
健診結果、お薬手帳、家庭血圧や症状のメモがあると確認しやすくなります。内科外来は電話予約制です。
※本記事は、当院で尿酸値や腎機能についてよくいただくご相談を整理したものです。検査や薬、食事・水分の内容は患者様ごとに異なるため、主治医や当院医師にご相談ください。
