2026.8.17 家族
発熱時も透析を休まないために 個室陰圧室と連絡手順を確認
発熱や咳、強いだるさがあると「透析に行ってよいのか」「周囲にうつしてしまわないか」と迷う方は少なくありません。けれども、透析を自己判断で休むと体への負担が大きくなることがあります。本記事では、発熱時にまず連絡してほしい理由と、当院の個室陰圧室・ゾーニングを踏まえた相談手順を整理します。
発熱時の基本
- 透析予定を自己判断で休まない
- 来院前に症状と発症時期を連絡する
- 受け入れ方法は症状、検査、空床状況などを踏まえて確認する
発熱時こそ、透析予定を一人で判断しないことが大切です
透析を休むと、水分や老廃物の調整に影響します
血液透析は、余分な水分や老廃物を定期的に除く治療です。発熱や感染症疑いがある時でも、透析が不要になるわけではありません。自己判断で休むと、次回透析までの間に体重増加、息苦しさ、血圧変動、カリウムなどの問題が起こりやすくなることがあります。
一方で、発熱したまま普段通りに来院してよいとは限りません。院内での動線や待機場所、検査の要否、透析を行う場所を調整する必要があるため、まず連絡して状態を共有してください。
本人が迷いやすいこと
熱がある、咳がある、家族に感染症の人がいる、体がだるく移動できるか不安、透析を受けてよいか分からない。
連絡で確認すること
症状の経過、体温、呼吸状態、検査歴、来院方法、透析予定時刻、個室陰圧室の使用可否などを確認します。
強い症状がある時は、すぐに受診が必要です
息苦しさが強い、胸の痛みがある、意識がぼんやりする、水分がとれない、血圧が大きく変動している場合は、すぐに医療機関を受診してください。透析患者さんでは、感染症や脱水、心臓への負担が重なることもあるため、我慢して様子を見るより、早めの連絡が安全につながります。
当院の個室陰圧室とゾーニングの役割
個室陰圧室は、感染症疑いの方の透析継続を支える設備です
東京ネクスト南砂内科・透析クリニックは、感染症対策特化型の透析クリニックです。総ベッド数49床のうち、透析ルーム42床、個室陰圧室7床を備えています。発熱や感染症疑いがある方の透析については、症状や検査、空床状況を確認しながら、個室陰圧室の使用も含めて対応を検討します。
陰圧室は、室内の空気が外へ漏れにくいように圧を管理する部屋です。当院では陰圧と換気の状態を常時モニタリングし、院内を汚染区域と清潔区域に分けるゾーニングも行っています。ただし、陰圧室があるから必ず受け入れられるという意味ではありません。安全に透析を行うため、事前連絡と個別確認が必要です。
| 感染対策設備 | 個室陰圧室7床、院内ゾーニング、陰圧・換気の常時モニタリング |
|---|---|
| 検査対応 | PCR検査・抗原検査に対応。検査の精度は完全ではないため、診察や症状と合わせて判断します。 |
| 透析ベッド | 総ベッド数49床(透析ルーム42床・個室陰圧室7床) |
| 透析診療時間 | 月水金 8:30〜22:30、火木土 8:30〜18:00 |
| 電話 | 03-5683-2277 |
連絡時は、症状・検査・移動方法を分けて伝えます
ご本人でもご家族でも、分かる範囲で構いません
発熱時は、本人がつらくて電話しづらいことがあります。その場合は、ご家族や同居の方から連絡していただいても構いません。医療的な判断は医師が行いますが、症状の経過や周囲の感染状況は、ご家族からの情報が役立つことがあります。
電話前に確認できる範囲でよいこと
- 体温、症状が始まった日時、咳・喉の痛み・息苦しさの有無
- 食事や水分がとれているか、尿量や体重の変化
- 同居家族や職場で感染症が出ていないか
- 抗原検査やPCR検査を受けたか、結果はどうだったか
- 来院方法、付き添いの有無、移動中の不安
検査結果だけで判断しないことも大切です
PCR検査や抗原検査は重要な情報ですが、精度は完全ではありません。陰性でも症状や接触状況によっては感染対策が必要になることがあります。逆に、検査前の段階でも透析の調整が必要なことがあります。検査結果の有無にかかわらず、まず状態を共有してください。
特に透析患者さんでは、発熱の原因が感染症だけとは限りません。シャントの痛みや腫れ、呼吸器症状、食事や水分が取れない状態、強い倦怠感などが重なると、透析条件や受診先の判断にも影響します。電話では、分かる範囲で構いませんので、発熱以外の症状も一緒に伝えてください。
発熱時の相談は、透析を続けるための準備です
発熱時の連絡は、来院を断るためではなく、安全に透析を続けるための確認です。当院では、主治医、看護師、臨床工学技士、受付スタッフがそれぞれの立場で情報を整理します。迷っている段階でも、まずはお電話でご相談ください。
ご家族が付き添う場合は、院内での待機方法や連絡が取れる電話番号も確認します。感染症が疑われる時は、患者さんだけでなく周囲の方の動線も大切です。来院前に情報を共有していただくことで、患者さんが透析を続けるための準備と、院内で過ごす方々への配慮を両立しやすくなります。
当院では、透析ルームのベッド間隔や換気、個室陰圧室、検査対応を組み合わせて運用しています。設備があることを安心材料にしつつ、症状のある方をどの動線で案内するかは当日の状況により変わります。だからこそ、来院前の一本の連絡が、患者さんご本人にも周囲の方にも大切です。
よくある質問
発熱がある時は透析を休んだ方がよいですか?
自己判断で休まず、まず通院先へ連絡してください。症状や透析予定、移動方法を確認したうえで対応を相談します。
熱が下がっていれば連絡なしで行ってもよいですか?
発熱後は症状の経過確認が必要です。解熱後でも、来院前に一度ご連絡ください。
家族が感染症になった場合も連絡が必要ですか?
必要です。同居家族や近い接触の状況は、院内動線や透析場所を調整するうえで重要な情報になります。
個室陰圧室があれば必ず透析できますか?
必ずとは言えません。症状、検査、空床状況、紹介情報などを踏まえて個別に判断します。
抗原検査が陰性なら通常通りで大丈夫ですか?
検査の精度は完全ではありません。症状や接触状況も合わせて確認するため、結果だけで判断せずご相談ください。
家族が代わりに電話してもよいですか?
はい。本人がつらい時は、ご家族から体温、症状、透析予定、来院方法をお伝えください。
息苦しさが強い時はどうすればよいですか?
強い息苦しさ、胸の痛み、意識がぼんやりする症状がある場合は、すぐに医療機関を受診してください。
※本記事は、当院で透析中によく確認する体調変化や感染対策の目安を整理したものです。発熱や呼吸器症状、シャントトラブルがある場合は自己判断せず、主治医または医療機関にご相談ください。
