2026.6.1 知識
透析中の眠気といびき 睡眠時無呼吸の相談目安
透析中や透析後の眠気は珍しい相談ではありません。ただ、強いいびき、睡眠中に呼吸が止まる指摘、朝の頭痛、日中の強い眠気が続く場合は、睡眠時無呼吸症候群(SAS)が関わっていることがあります。透析の疲れだけと決めつけず、睡眠、血圧、体重変化、内科的な体調を一緒に整理していきましょう。
透析患者さんが相談しやすい眠気の見方
- 透析中だけ眠いのか、日中ずっと眠いのか
- 家族からいびきや無呼吸を指摘されているか
- 起床時の頭痛、夜間頻尿、熟睡感のなさがあるか
- 血圧、体重増加、むくみ、服薬内容に変化があるか
眠気を透析の疲れだけで片づけない
睡眠時無呼吸は、睡眠中の呼吸が繰り返し浅くなる病気です
日本呼吸器学会の一般向け説明では、睡眠時無呼吸症候群は睡眠中に無呼吸を繰り返し、日中の眠気や起床時の頭痛などを起こす病気として説明されています。肥満だけが原因ではなく、上気道の狭さ、鼻の病気、あごの形なども関わることがあります。
透析患者さんでは、透析後の疲れ、貧血、血圧変動、かゆみや足の不快感、夜間頻尿など、眠りを妨げる要因が複数重なることがあります。だからこそ「透析だから仕方ない」と我慢せず、症状を分けて整理することが大切です。
相談したい症状の目安
家族の指摘は大切な情報になります
睡眠中のいびきや無呼吸は、ご本人が気づきにくい症状です。ご家族から「呼吸が止まっているように見える」「いびきが急に大きくなった」と言われた場合は、受診時にそのまま伝えてください。可能であれば、いつ頃から、どのくらいの頻度で、日中の眠気がどの程度かもメモしておくと役立ちます。
早めに相談したいサイン
- 十分寝たつもりでも日中に強い眠気がある
- 家族から大きないびきや無呼吸を指摘される
- 起床時の頭痛、熟睡感のなさ、夜間頻尿が続く
- 車の運転や仕事中に眠気で困ることがある
胸痛、強い息苦しさ、意識がぼんやりする、片側の手足が動かしにくいなどの症状がある場合は、すぐに医療機関を受診してください。眠気だけでなく、循環器や脳血管の病気が関わることもあるため、強い症状を我慢しないことが大切です。
当院で確認できること
一般内科と透析診療の両方から体調を見ます
当院の一般内科では、睡眠時無呼吸症候群(SAS)の検査・CPAP療法にも対応しています。透析中の血圧、体重変化、貧血、服薬内容なども合わせて見ながら、眠気の背景を整理します。検査や治療の必要性は、症状や検査結果を踏まえて医師が判断します。
| 相談内容 | 確認するポイント |
|---|---|
| いびき・無呼吸 | 家族からの指摘、睡眠中の様子、日中の眠気 |
| 透析中の眠気 | 透析条件、血圧変動、透析後の疲れ方 |
| 内科外来 | 月水金 9:30-13:00 / 15:00-18:00、土 9:30-13:00(AMのみ) |
| 相談先 | 主治医、看護師、臨床工学技士、受付スタッフ |
東京ネクスト南砂内科・透析クリニック 院長岩藤 和広Kazuhiro Iwadoh
| 相談領域 | 透析中の体調変化、腎臓内科、一般内科、睡眠時無呼吸症候群の相談 |
|---|---|
| 大切にしていること | 眠気を我慢で終わらせず、生活と治療の両面から原因を整理すること |
眠気の相談では、「いつ眠いか」を分けて考えると原因の整理がしやすくなります。透析中だけ眠いのか、帰宅後に強く眠いのか、透析のない日も眠気が続くのかで、確認するポイントは変わります。睡眠時間、就寝時刻、夜間に何度起きるか、朝起きた時の頭痛や口の渇きがあるかも、診察時の手がかりになります。
透析患者さんでは、体液量の変化や血圧、貧血、かゆみ、足のむずむず感などが睡眠に影響することがあります。睡眠時無呼吸が疑われる場合も、SASだけを切り離して考えるのではなく、透析中の状態や一般内科的な病気を合わせて確認します。眠気が続く時は、薬の影響や生活リズムも含めて主治医へ相談してください。
ご家族がいる場合は、睡眠中の様子を短くメモしてもらうと役立ちます。「いびきが大きい」「途中で呼吸が止まるように見える」「寝返りが多い」「朝から疲れている」など、専門的な表現でなくても構いません。診察では、その情報をもとに検査の必要性や生活上の注意点を整理していきます。
睡眠時無呼吸が疑われる場合でも、すぐ治療を決めるのではなく、まず問診や検査で睡眠中の呼吸状態を確認します。検査には簡易検査や睡眠中の状態を詳しく見る検査があり、必要性は症状や生活への影響を踏まえて判断します。眠気で転倒しやすい、仕事や運転に支障がある場合は、早めに相談してください。
透析中の眠気を記録する時は、血圧が下がった時に眠いのか、透析開始直後から眠いのか、帰宅後に長く寝込むのかを分けておくと役立ちます。スタッフへ伝える情報が具体的になるほど、透析中の観察ポイントや内科で確認する項目を整理しやすくなります。
眠気は本人が慣れてしまうと、困りごととして伝えにくくなります。日中の活動量が落ちた、会話中に眠ってしまう、透析のない日も疲れが抜けないといった変化も相談材料になります。
睡眠の相談は、透析日の過ごし方を責めるものではありません。原因を一つに決めず、体調変化を一緒に確認するための入口として考えてください。
相談につなげるまとめ
透析中の眠気やいびきは、疲れだけで説明できないことがあります。ご家族の気づき、日中の眠気、起床時の症状をメモし、主治医や当院医師へご相談ください。当院では、透析診療と一般内科の視点を合わせて確認します。
よくある質問
透析中に眠くなるのは異常ですか?
透析中に眠気を感じる方はいます。ただし日中の強い眠気や大きないびきが続く場合は、睡眠時無呼吸など別の要因も確認します。
家族から無呼吸を指摘されました。何を伝えればよいですか?
いつ頃から、どのくらいの頻度で、いびきや呼吸停止のような様子があるかを伝えてください。日中の眠気や起床時の頭痛も大切な情報です。
睡眠時無呼吸は肥満の人だけの病気ですか?
肥満は関係しますが、それだけではありません。上気道の狭さ、鼻の病気、あごの形なども関わることがあります。
CPAP療法は誰でも必要ですか?
必要性は症状や検査結果によって異なります。医師が検査結果を確認し、患者さんに合う方法を相談します。
透析条件を変えれば眠気は改善しますか?
眠気の原因は一つとは限りません。透析条件、血圧、睡眠、薬、貧血などを合わせて確認し、主治医と相談します。
内科外来で相談できますか?
はい。当院の一般内科ではSASの検査・CPAP療法にも対応しています。透析中の方は透析診療の情報も合わせて確認します。
※本記事は、当院で透析中によく確認する体調変化や感染対策の目安を整理したものです。発熱や呼吸器症状、シャントトラブルがある場合は自己判断せず、主治医または医療機関にご相談ください。
