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食生活

夏の果物・夏野菜とカリウム 透析中も楽しむための食べ方の工夫

夏の果物・夏野菜とカリウム 透析中も楽しむための食べ方の工夫

よく冷えたスイカ、塩ゆでの枝豆、湯気の立つとうもろこし。夏の食卓には、旬の果物や夏野菜が並ぶ機会が増えます。一方で、透析を続けている方からは「カリウムが気になって、好きな果物に手が伸ばせない」というご相談をよくいただきます。本記事では、夏の食材とカリウムの関係を整理し、禁止ではなく「量と工夫」で楽しむための考え方をまとめました。

夏の食卓を楽しみたい気持ち

旬の果物や野菜は、香りや彩りで食事を豊かにしてくれます。食べる楽しみは、長く続く透析生活を支える大切な力です。

カリウムに気をつけたい理由

透析中はカリウムが体にたまりやすく、夏が旬の果物や野菜にはカリウムを多く含むものがあります。だからこそ「食べ方」が鍵になります。

夏にカリウムを意識したい理由

カリウムは体に必要なミネラルで、主に腎臓から排泄されます

カリウムは、神経や筋肉、心臓の働きを保つために欠かせないミネラルです。食事でとった分のうち余ったカリウムは、主に腎臓から尿として排泄されます。透析を受けている方は尿の量が減っていることが多く、カリウムが体にたまりやすい状態にあります。

血液中のカリウムが高くなりすぎた状態は「高カリウム血症」と呼ばれ、脈の乱れ(不整脈)につながることがあるとされています。日本腎臓学会の食事療法基準でも透析患者さんのカリウム摂取には目安が示されていますが、実際にどこまで気をつけるかは、検査値や処方によって一人ひとり異なります。

夏は、スイカやメロンのように水分とカリウムの両方が多い果物が増えるうえ、喉の渇きから果物やジュースに手が伸びやすい季節です。暑さで食欲が落ち、麺類などに偏ると食事全体のバランスも崩れやすくなります。だからこそ、夏はカリウムとの付き合い方を一度整理しておきたい時期です。

高カリウム血症で現れることがあるサイン

  • 手足や口のまわりのしびれ
  • 脈の乱れ、動悸
  • 強い脱力感、いつもと違うだるさ

こうした症状に気づいた時は、自己判断で様子を見ず、まず主治医や透析施設へ連絡して相談してください。症状が強い場合や急に悪化した場合は、すぐに医療機関を受診してください。

夏の果物・夏野菜の整理表 量と工夫で楽しむ

「食べてはいけない食材」を覚え込むより、「どうすれば楽しめるか」をセットで知っておくほうが、夏の食卓は広がります。代表的な夏の食材を、特徴と工夫の例で整理しました。

食材特徴と楽しむ工夫の例
スイカ・メロン水分とカリウムが多めの果物です。食べる量をあらかじめ決めて少量を味わうと、水分管理とも両立しやすくなります。
桃・ぶどう香りと甘みを楽しみやすい果物です。一度に1個・1房ではなく、半分や数粒に分けて楽しむ方法があります。
バナナカリウムが多い果物として知られています。食べたい場合は、量や頻度を主治医や管理栄養士と確認すると安心です。
トマト彩りに少量を添えると取り入れやすい夏野菜です。ジュースやペーストは濃縮されている分、カリウムが多くなりやすい点に注意しましょう。
枝豆・とうもろこし茹でて楽しむ夏の定番です。食べる粒数や本数を先に決め、袋や皿ごと「つまみ続けない」工夫が役立ちます。
なす・きゅうり比較的取り入れやすい夏野菜です。小さく切って水にさらす、茹でこぼすなどの下ごしらえと相性が良い食材です。
かぼちゃ・ゴーヤ炒め物や煮物で活躍します。先に下茹でして茹で汁を捨てると、カリウムをある程度減らせるとされています。

調理でカリウムを減らす一般的な工夫

カリウムは水に溶けやすい性質があります。この性質を利用した下ごしらえは、腎臓病の食事指導で広く案内されている方法です。

  • 茹でこぼし:小さく切ってたっぷりの湯で茹で、茹で汁は使わない
  • 水さらし:細かく刻んで水にさらし、水気を絞ってから調理する
  • 果物の缶詰:生の果物よりカリウムが少なくなりやすい。シロップは飲まずに残す
  • 汁物は具を中心に:カリウムは煮汁に溶け出すため、汁を飲み干さない

濃縮された食品は、習慣にする前に相談を

果汁ジュース、野菜ジュース、ドライフルーツ、青汁などは、濃縮されている分、少量でもカリウムが多くなりやすい食品です。「体に良さそうだから」と毎日の習慣にする前に、主治医や管理栄養士へ相談してください。カリウムを含む健康食品やサプリメントを自己判断で始めないことも大切です。

量の決め方は人それぞれ 当院での相談のしかた

「どこまで食べてよいか」は検査値と処方で変わります

同じ透析患者さんでも、カリウムとの適切な付き合い方は、血液検査の値、残っている尿の量、透析の条件、カリウムを調整する薬の有無などによって変わります。そのため本記事では、「1日何グラムまで」「何個まで」という具体的な量はお伝えしていません。食べたいものと量は、検査結果を見ながら主治医や管理栄養士と一緒に決めていくことが、安心して楽しむ近道です。

当院では「しっかり食べて、適度な運動、充分な透析を」という考え方を大切にしています。食事を我慢し続けるのではなく、充分な透析と組み合わせながら、生活スタイルに合わせた透析を目指す方針です。食事の悩みは体重増加や血圧、検査値とも関わるため、気になることがあれば、主治医、看護師、臨床工学技士、受付スタッフのどなたにでもお声がけください。

夏の食卓を楽しむためのまとめ

  • 夏の果物・夏野菜は禁止ではなく、量と工夫で楽しむ
  • 茹でこぼしや水さらしなど、カリウムを減らす下ごしらえを活用する
  • 具体的な量は検査値と処方で変わるため、主治医や管理栄養士と決める
  • しびれや脈の乱れなどのサインがあれば、まず連絡して相談する

「次の血液検査が少し心配」「食べる量の決め方が分からない」という段階でも、ご相談いただけます。お電話(03-5683-2277)またはご予約ページからお問い合わせください。

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よくある質問

  • 透析中はスイカを食べてはいけませんか?

    一律に禁止される食材ではありません。水分とカリウムが多いため、食べる量や頻度を主治医や管理栄養士と確認しながら楽しむ方法があります。

  • 茹でこぼしでカリウムはどのくらい減りますか?

    食材や切り方、茹で時間によって変わるため一概には言えませんが、カリウムが水に溶け出す性質を利用して、ある程度減らせるとされています。下ごしらえをしても量の確認が不要になるわけではない点にご注意ください。

  • 果物の缶詰なら安心して食べられますか?

    生の果物に比べてカリウムが少なくなりやすいですが、ゼロではありません。シロップを残す、食べる量を決めるなどの工夫と組み合わせてください。

  • 野菜ジュースを野菜の代わりにしてもよいですか?

    野菜ジュースは濃縮されている分、少量でもカリウムが多くなりやすい飲み物です。習慣にする前に、主治医や管理栄養士へご相談ください。

  • 食事の相談は透析に通いながらできますか?

    はい。当院では透析中の体調確認と合わせて、食事の気がかりも伺っています。検査値を見ながら相談したい場合は、診察時や透析中にスタッフへお声がけください。

※本記事は、当院で食事についてよくいただくご相談を整理したものです。食事制限の内容は患者様ごとに異なるため、具体的な食事内容は主治医や管理栄養士にご相談ください。

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