2026.8.3 透析
透析中に血圧が下がりやすい方へ IHDFを含めた相談の進め方

透析中に血圧が下がると、めまい、冷や汗、吐き気、透析後の強い疲れにつながることがあります。原因は一つではなく、除水量、ドライウェイト、食事量、服薬、心臓の状態などを合わせて確認します。本記事では、血圧低下を相談する時の整理方法と、当院で対応しているIHDFの位置づけを説明します。透析中の血圧低下は、除水だけでなく全体を見て考えます
水分を除くスピードが体に合わないと、つらさにつながります
血液透析では、透析と透析の間に体へたまった余分な水分を除きます。除く量が多い時や、短い時間で水分を引く必要がある時は、血圧が下がりやすくなることがあります。血圧低下は、めまい、気分不快、足のつり、吐き気、透析後のぐったり感として現れることもあります。
ただし、血圧が下がる背景は除水量だけではありません。食事量が少ない日、降圧薬の内服タイミング、体調不良、貧血、心臓の状態、感染症なども関係することがあります。そのため、透析中の一場面だけで判断せず、透析前後の体重、家庭血圧、内服、症状の出る時間帯を合わせて確認します。
毎回のように起こる場合
ドライウェイト、除水量、透析条件、薬のタイミングなどを継続的に見直す必要があります。
急に起こった場合
発熱、食事量低下、下痢、感染症、心臓の症状など、普段と違う体調変化がないかを確認します。
相談前に記録したい症状
透析中に血圧が下がりやすい方は、症状が出た時刻、透析前からの体調、食事量、薬を飲んだ時間を短く残しておくと相談しやすくなります。胸の痛み、強い息苦しさ、意識が遠のくような症状がある場合は、すぐに医療機関を受診してください。
IHDFは血圧低下を含むつらさの相談で検討される選択肢です
IHDFは一定時間ごとに自動補液を行う透析方法です
当院では間歇補液療法(IHDF)に対応しています。IHDFは、透析専用の回路を通じて一定時間ごとに自動で補液を行う方法です。当院の案内では、30分に1回、100〜200mLを補液し、その分は除水するため体内に残るものではありません。除水に伴う血圧低下や末梢循環の負担を抑える目的で検討されることがあります。
| 確認すること | 血圧低下の頻度、症状、除水量、食事量、服薬、透析後の疲れ方 |
|---|---|
| IHDFの特徴 | 一定時間ごとに自動補液を行い、血圧低下や末梢循環の負担軽減を期待して検討します。 |
| 当院の対応 | 血液透析(HD)、オンラインHDF、IHDFに対応しています。 |
| 注意点 | すべての患者様に同じ条件で適するわけではなく、適応は医師が個別に判断します。 |
IHDFだけで解決しようとしないことが大切です
IHDFは選択肢の一つですが、血圧低下の原因がドライウェイト、食事、薬、心臓の状態にある場合は、透析方法だけを変えても十分ではないことがあります。現在の治療内容を否定するのではなく、今のつらさをどう減らせるかを主治医や当院医師と確認していくことが大切です。
たとえば、透析前の食事量が少ない日だけ血圧が下がる方と、毎回同じ時間帯に下がる方では確認するポイントが違います。週末明けに体重増加が大きい時だけつらい場合は、水分・塩分の取り方を見直すことが先になることもあります。IHDFの検討は、こうした生活背景と透析データを並べたうえで行うと、患者さんにとって納得しやすい相談になります。
当院では透析条件と生活背景を合わせて確認します
当院では、総ベッド数49床(透析ルーム42床・個室陰圧室7床)を備え、オンラインHDF・IHDFに対応しています。透析中の血圧低下が気になる場合は、透析中のデータだけでなく、通院前後の生活や食事、服薬状況も含めて確認します。
相談時に伝えてほしいこと
- 血圧が下がる頻度と、透析のどの時間帯に起こるか
- めまい、吐き気、足のつり、冷や汗、帰宅後の疲れの有無
- 透析間の体重増加、食事量、飲水量の変化
- 血圧の薬を飲む時間や、最近変更した薬の有無
通院時間や移動の負担も、症状の感じ方に関わります
透析後に血圧が下がりやすい方は、帰宅時の移動が不安になることがあります。当院は南砂町駅徒歩6分、東陽町駅徒歩9分で、送迎車は全車椅子対応です。送迎の利用条件や時間帯は事前確認が必要ですが、通院負担も含めてご相談いただけます。
血圧低下は、透析室の中だけで完結する問題ではありません。帰宅後に食事が取れない、翌日までだるさが残る、仕事や家事の予定を組みにくいといった生活への影響も、治療条件を考えるうえで重要です。症状の強さだけでなく「どんな生活場面で困っているか」もお伝えください。
透析条件の見直しは、一度相談したら終わりではありません。季節、体重、食事量、薬の変更によって、合う条件は変わることがあります。前回より楽だった日、つらさが残った日を短く共有していただくことで、次の調整につなげやすくなります。
血圧低下を我慢し続けないために
透析中の血圧低下は、治療を続けるうえで大きな不安になります。毎回つらい、帰宅後まで疲れが残る、透析が怖くなってきたという段階でも相談材料になります。IHDFを含め、今の状態に合う調整を一緒に確認しましょう。
よくある質問
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透析中に血圧が下がるのはよくあることですか?
透析中に起こりうる症状の一つですが、頻度やつらさが強い場合は確認が必要です。毎回我慢せず、主治医やスタッフへお伝えください。
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IHDFにすれば血圧低下はなくなりますか?
なくなると断定はできません。IHDFは血圧低下や末梢循環の負担軽減を期待して検討される方法ですが、適応や効果は状態により異なります。
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血圧の薬を自己判断で減らしてもよいですか?
自己判断で薬を中止・変更しないでください。透析日と非透析日での血圧、内服時間、症状を確認したうえで医師が判断します。
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相談時には何を持っていくとよいですか?
家庭血圧のメモ、体重変化、症状が出た時間帯、薬の一覧があると確認しやすくなります。完璧な記録でなくても構いません。
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透析後に帰宅するのが不安な場合も相談できますか?
相談できます。送迎の条件や帰宅時の不安、付き添いの有無も含めて、受付スタッフや看護師へお伝えください。
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急に強い症状が出た場合はどうすればよいですか?
胸の痛み、強い息苦しさ、意識が遠のくような症状がある場合は、すぐに医療機関を受診してください。
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当院でIHDFの相談はできますか?
はい。当院ではIHDFに対応しています。現在の透析条件や体調を確認したうえで、適応を医師が判断します。
※治療法の選択は患者様の状態や生活背景により異なります。当院でも診療時に状態を確認しながらご説明しています。変更を検討される場合は、主治医や当院医師にご相談ください。
